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これが写真作品?トーマス・ルフ国内初の本格的回顧展

ART

Photo by トーマス・ルフ 《Substrat 31 III》 2007年 C-print 186×268cm
©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

世界で最も重要な写真家の一人と評されるトーマス・ルフの日本初の回顧展が開催中。現代を生きる私たちの視覚や認識に深く組みこまれた写真というメディアそれ自体も重要なテーマであり、その作品はどれも批評性に満ちている。

「現代写真」という言葉をご存知だろうか。

写真と一口にいっても、卒業旅行の集合写真、観光地の絵はがき、またはSNSに投稿されたものまで様々な形がある。
現代美術に並び、現代写真と呼ばれるように、写真作品が持つ「写真」という概念広く、奥深い。

そんな現代写真を牽引してきた写真家トーマス・ルフの日本では初となる本格的回顧展が東京国立近代美術館で開催中だ。

現代の写真表現を問う

トーマス・ルフは1958年ドイツ生まれ。
デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として、1990年代以降、現代の写真表現をリードしてきた写真家だ。

現在は世界で最も重要な写真家の一人とも評され、これまでも自身で撮影するだけでなく、インターネット上を流通するデジタル画像からコレクションしている古写真まで,あらゆる写真イメージを素材に用い、表現の可能性を探究してきた。

Photo by トーマス・ルフ 《Porträt (P. Stadtbäumer)》 1988年 C-print 210×165cm
©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

本展は初期作品である「Interieurs(室内)」や評価を高めた「Porträts(ポートレート)」、インターネット時代の情報空間を批評的に捉えた「nudes(ヌード)」、デジタル画像が持つ仕組みを現実空間で再現する「jpeg」など、私たちの視覚や認識に深く組みこまれた写真というメディアそれ自体も作品の重要なテーマのひとつとなっており、写真表現の奥深さが垣間見えるだろう。
ルフの作品はそこに映し出された被写体だけでなく、その作品の生成過程に思いを巡らす事で、ユニークかつアクチュアルな批評性が読み取れる。

Photo by トーマス・ルフ 《jpeg ny01》 2004年 C-print 256×188cm
©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

世界初公開となる最新作も

本展は作品選択や展示構成にルフ自身が参加するなど,作家の全面的な協力を得て実現。未発表の新作を含め東京会場約125点,金沢会場約160点の作品で構成される。
最新作となる「press++」は新聞社のプレス写真アーカイヴを入手したことから着想されたもので、過去に使用されていた紙焼写真とそれにともなう文字情報を素材に生まれたシリーズだ。なんと本展では読売新聞社から提供されたプレス写真を素材とした世界初公開となる作品も発表されている。

Photo by トーマス・ルフ 《w.h.s.01》 2000年 C-print 185×245cm
©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

1990年代から日本でも美術館やギャラリーで紹介されてきたが、美術館で開催される本格的な回顧展は今回が初となる。
写真というメディアの特性である情報性と表現性への検証を通じて,私たちが抱いている写真に対する既成概念に揺さぶりをかけ続けるルフの待望の個展は必見だろう。

Photo by トーマス・ルフ 《phg.12》 2015年 C-print 185×310cm
©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

【東京会場】
会期:2016年8月30日(火)~11月13日(日)
会場:東京国立近代美術館

【金沢会場】
会期:2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)
会場:金沢21世紀美術館

トーマス・ルフ展公式ホームページ:http://thomasruff.jp/event/

Writer: Akira Aoki

 
 
 
 

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