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六本木で宇宙に出会う!『宇宙と芸術展』レポート

ART

パトリシア・ピッチニーニ『ザ・ルーキー』2015年
Photo by Tomohiro Katano

六本木の森美術館で『宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ』がスタートした。

宇宙と芸術、一見あまり繋がりがなさそうなテーマに思える。宇宙開発の最前線と現代アートが並ぶ展覧会?どういうことなんだろうと、かきたてられる好奇心と期待を胸にプレス内覧会へ。

会場で待っていたのは、豊かな想像力と知的好奇心に彩られた、まさに「宇宙の入り口」だった!

多彩な天文学の資料、宇宙を体感できる現代アートのインスタレーションと、盛りだくさんの本展をレポートしていこう。

Photo by Tomohiro Katano

「宇宙とは何か、我々は何者か」を芸術、文化的視点で紐解き、人類の未来を探ろうという本展。

古今東西ジャンルを超えた多彩な約200点の出展物が、4つのセクションに分かれ公開されている。

貴重な天文学資料を一挙公開

SECTION1では、東西の神話、宗教美術作品や貴重な天文学資料を通して「人は宇宙をどう見てきたか?」について知ることができる。日本初公開となるレオナルド・ダ・ヴィンチの天文学手稿など興味深い展示物が並ぶ。

『竹取物語絵巻』(第三巻)
江戸時代前期/巻子/33×約1440cm/所蔵:國學院大學図書館、東京

日本最古のSF小説ともいえる『竹取物語』の絵巻。金泥や金箔が使われ、豪華で艶やかな色彩に思わず見入ってしまう。なるほど、SFとして捉えると、かぐや姫は月から来た宇宙人なのかもしれない。

現代アーティストが描く宇宙観

SECTION2「宇宙という時空間」では、現代美術からみた宇宙を展開する。宇宙に強い関心を抱いているアーティストは多い。現代美術のアーティストによるそれぞれの宇宙を表現した作品が並ぶ。

ビョーン・ダーレム『ブラックホール(M-領域)』2008年
Photo by Tomohiro Katano

展示室に入ってすぐに目を引くのは、ドイツ人アーティスト、ビョーン・ダーレムの大型インスタレーション『ブラックホール(M-領域)』だ。

巨大なブラックホールを中心に回る銀河系、多元宇宙のあり方を、蛍光灯や電球、スチールなど日常的な素材を使って表現している。窓から覗く東京のビル群を背景に鎮座する小宇宙に、引き込まれる。

コンラッド・ショウクロス『タイムピース』2013年/アルミニウム、鉄、機械、ライト/サイズ可変/展示風景:ラウンドハウス、ロンドン

コンラッド・ショウクロスの日時計の作品『タイムピース』。作品の前に立ち、刻々と回りながら時を刻む針や変化していく影をみていると、逆に時間というものを感じなくなるような不思議な感覚に陥る。

江戸時代にすでにUFOが来ていた!?

SECTION3はSF好きにはたまらないテーマ「新しい生命観-宇宙人はいるのか?」。人類が想像してきた宇宙人像や最先端の遺伝子工学に触れる作品や資料を紹介。

万寿堂『小笠原越中守知行所着舟』(「漂流記集」より)江戸時代後期(19世紀/書籍/約26×77cm/所蔵:西尾市岩瀬文庫、愛知

江戸時代、現在の茨城県の海岸にUFOのような「うつろ舟」が漂着したという事件が発生。舟の中には見知らぬ文字が書かれており、美しい女がひとり乗っていたと言われている。事件を伝える当時の書物を見ているとますます江戸のUFO伝説に興味が湧いてくる。向かいには「うつろ舟」伝説をモチーフにした現代アーティストによる作品も展示されている。

上記の万寿堂『小笠原越中守知行所着舟』のうつろ舟をモチーフにした、どんぶりなどのグッズも特設ショップで販売されているので要チェックだ。

空山 基『セクシーロボット』2016年
Photo by Tomohiro Katano

AIBOの設計者でもある空山基の『セクシーロボット』。エアロスミスのアルバムジャケットにも使用され話題となった。メタニカルなのに佇まいが驚くほど妖艶!

まるで宇宙遊泳!チームラボ新作

チームラボ『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space』
2016年/インタラクティブ・デジタル・インスタレーション/4分20秒/サウンド:高橋英明

「宇宙旅行と人間の未来」について考えるSECTION4では、宇宙開発の歴史や月面住居、民間月面無人探査に参加するHAKUTOなど、宇宙開発の最前線を展示。また、宇宙と人間の未来に対するアーティストのビジョンも紹介される。

中でも注目なのが、チームラボによる新作インスタレーション『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space』だ。

チームラボ

『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space』2016年/インタラクティブ・デジタル・インスタレーション/4分20秒/サウンド:高橋英明

 

宇宙世界のような映像で覆われた空間の中を、幻想的な音楽とともに宇宙船に見立てた光のカラスが疾走する。

作品空間に一歩足を踏み入れると、まるで宇宙空間に浮いているような感覚になり、思わず足元を見ると、光るカラスが自分をよけるようにして鮮やかな軌道を残して走り去っていく。

不思議な浮遊感と目の前で繰り広げられる美しい世界にただただ圧倒されてしまう。

トム・サックス『ザ・クローラー』2003年
Photo by Tomohiro Katano

天文学、宇宙科学に関する展示物と現代アートが区切られることなく展示されている本展。

どれが実際の宇宙に関するもので、どれがアートなのか、一瞬わからなくなるような感覚がある。その感覚がまた楽しいのだ。未知なる宇宙と向き合うとき、既存の枠や固定概念はいらないのかもしれない。

ちょっと最近つまらないな、頭が固くなってきたなという人は、ぜひこの『宇宙と芸術展』に足を運んでほしい。宇宙も現代アートも頭のこりを取るにはもってこいだ。

もちろん、元々宇宙に興味がある人にとっても大満足の展覧会であることは間違いない!

『宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ』
http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/

会期:2016年7月30日(土)~2017年1月9日(月・祝)

会場:森美術館

開館時間:10:00~22:00、火10:00~17:00
※いずれも入館時間は閉館時間の30分前まで
※会期中無休
http://www.mori.art.museum/

Writer: Erika Takamatsu

 
 
 
 

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