HEAPSmedia

アンダーグラウンドから世界へ。 ルーマニア発ミニマルミュージックの祭典「Sunwaves Festival」

MOVEMENT

ルーマニアで屈指のリゾート地コンスタンツァ(県)。黒海に面し、約8kmにわたってサラサラの砂浜が続くビーチ、ママイアがある。

ここで開催されたミニマルミュージックの祭典「Sunwaves Festival 20」の現地レポートをお届けしたい。

独裁的権力の下で生まれた本物のカルチャー

今回で記念すべき20回目を迎えた同フェスは、毎年5月と8月に開催されており、ルーマニアを拠点とするローカルDJと世界の一流アーティストが集結する1万人以上を動員する人気のビーチフェス。サラサラの砂が特徴的な黒海のビーチと、言葉に出来ないほど美しいサンライズやサンセットを見せてくれることでも知られている。

ラインナップが豪華なのはヨーロッパのフェスであれば当然のことであるが、「Sunwaves Feastival」に関して何より注目したいのが、現在のヨーロッパのダンスミュージックシーンにおいて、カルト的人気を誇るルーマニアンDJたちである。

特に、2007年に設立されたレーベル[a:rpia:r]の人気はここ数年留まるところを知らず、主宰であるRhadoo、Petre Inspirescu、Rareshは世界各地からラブコールが絶えず、3人から成る「RPR SOUNDSYSTEM」も同様にプロモーター同士の取り合いとなっている。日本においても早くからルーマニアのシーンを生で見てきたオーガナイザー兼DJにより招聘され、東京を中心に注目を集めている。

また、派手なプロモーションを一切しないことでも有名で、リリースしたアナログレコードのリプレスもほとんど行わないため、ラストコピーが非常に希少価値の高いものとされている。そういったストイックさにも真の音楽好きがリスペクトする理由の一つだろう。

今回のSunwavesはボスのRhadooこそいなかったものの、Petreを筆頭に、フランス、オーストリア、オランダなどの近隣諸国からギークなファンたちが押し寄せ、ローカルアーティストの人気を再認識するフェスとなった。

ルーマニアサウンドの特徴としては、極限まで音数を減らしたミニマルでありながら、全く飽きのこないストーリーやドラマチックな展開を見せてくれる。クラブでも無機質なコンクリートでも、もちろんビーチでも合う不思議なサウンドである。

会場は、同じくママイア内で移動し、前回より若干縮小されたが、火曜日まで続いたアフターパーティーも常に満員状態だった。サイケデリックな演出のトランスの名残りを感じさせるステージもあったが、音は硬派なミニマルオンリー。90年代から存在している歴史あるルーマニアのシーンは研ぎ澄まされた感性を持っており、今後ますますの広がりとレベルアップを見せていくだろう。

ルーマニアと聞いて、おそらく多くの日本人は訪れたこともない遥か遠くにある東欧の国の一つという認識しかないだろう。アジアの田舎のように、貧しく、古く寂れた建物が並び、西欧とは全く違う雰囲気を持つ。首都ブカレストは、独裁的権力者だったチャウシェスクの恐ろしい政権時代を払拭するかのように、ドイツの国産車が走り、西欧の企業が進出し始めている街は明るく、多くの人は親切で、英語も堪能である。ただし、一部エリアには、マンホールに暮らす薬物中毒者の若者たちがいるのも現状である。

そういった混沌とした中で生まれるのが、様々なアンダーグラウンドカルチャーであり、90年代頃のベルリンにみるようなアナーキシズムを感じずにはいられなかった。

sunwaves-fest.ro

Writer: Kana Miyazawa
Photos by Kay Ross(Sunwaves official) , Haruka Kashiwazaki , Kco Sun , Kana Miyazawa

 

 
 

 

この記事が気にいったら、いいね!しよう
HEAPSmediaの最新情報をお届けします!

TAG


アプリで、HEAPSmediaを楽しむ。

どこでもいつでもサクサク快適に“遊び”が見つかる。

HEPASmedia

DOWNLOAD NOW!

アプリ画面

PAGE TOP