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お煎餅はかっこいい! ある兄弟の古くて新しい挑戦

PEOPLE

Photo by Mika Hashimoto

六本木ヒルズのメンズフロアのリニューアルを記念したパーティー。
ラグジュアリーな空間に DJ ブースからは音楽が鳴り響き、おしゃれなダンスパフォーマンスまである。

そこに大盛況のブースがひとつ。

二人の男性がシェイカーを振っている。 カクテルを振舞っているんだなと思い近づくと、シェイカーから出てきたのは …お煎餅!?

Photo by Mika Hashimoto

そう、この2人こそが、SENBEI BROTHERS。「せんべい」 を、おいしく、か っこよく。というコンセプトで、今までのおせんべいのイメージをひっくり返し、ものすごい勢いで成⻑するお煎餅ブランドだ。

テレビやメディアで次々に取り上げられ、ネット注文は時に一週間待ちという人気ぶり。
彼らのお煎餅は、一言でいえば“カッコいい”。そんな、今までのお煎餅のイメージをひっくり返す風雲児の、成功の秘密を探った。

若者とお煎餅の、キビしい関係

Photo by Mika Hashimoto

今の若い人にとって、お煎餅にはあまり「普段から食べるおやつ」というイメージがないかもしれない。実際のところ、若い世代のお煎餅の消費額は少ないようだ。

総務省がやっている家計調査で、単身世帯の年代別にお煎餅に使うお金を調べると、2015年度調査のもので、60歳以上の年代がお煎餅に使う額は4,175円。

一方、34歳以下の年代は、1,661円。60歳以上の半分以下なのだ。ちなみに、中間の35~59歳の消費額は2,109円。

やはり、若い世代になるにつれて、お煎餅はちょっと遠い存在になっている。

“おしゃれスイーツ”と戦うお煎餅、参上!

Photo by Mika Hashimoto

そんな中、若者の心もガッツリと掴んでいるのがSENBEI BROTHERSだ。

彼らのお煎餅は見た目からして、カッコいい。パッケージはお煎餅では異例の、シンプルで洗練されたクラフトパック。凝ったパッケージのクッキーやキャンディにも引けを取らないお洒落さがある。

シェイカーで味付けしたのお煎餅を振る舞うといったような、斬新な取り組みも、若い人たちの“新しいお煎餅体験”に一役買っている。

味も定番の醤油から、梅やにんにく、バジルにチェダーチーズなどかなりのバリエーションがあり、若者の心をくすぐる。極みわさび味は、若い女性にかなり人気なのだとか。
このお煎餅を作っているは、二人の兄弟。ブランド名通り、正真正銘の兄弟だ。

成功の秘密はデコボコタッグにあり?

Photo by Mika Hashimoto

「普段は兄と弟が逆だと思われることが多いんです。僕が弟で、こっちが兄みたいな」と、人懐っこい笑顔で話すのは兄の笠原健徳(かつのり)。SENBEI BROTHERSを運営している笠原製菓の4代目だ。

「経営も厳しい状態で、勢いで継ぎました。自分がやらないと、といった気持ちでしたね。」という彼は、なんと20年デザインの仕事をしていた生粋のデザイナー。先代社⻑が引退したタイミングで家業を継いだばかりで、お煎餅業界では新人だ。

Photo by Mika Hashimoto

「兄は勢いでどんどん突き進んでいって、壁にぶち当たるのを恐れないんです。僕は、壁に当たるのが怖いので、慎重に考えながらゆっくり進んでいきます」

一方、少し照れくさそうに話すのは弟の忠清(ただきよ)。

兄とは対照的に⻑年、笠原製菓で職人として働いてきたベテランだ。
現在は、SENBEI BROTHERSのすべてのお煎餅を担当。熱気がこもり、夏には暑さのあまり痩せてしまうほど、という工場で、毎日誠実にお煎餅を作り続けている。

伝統的で斬新で。真逆だからこそ歩める同じ道。

Photo by Mika Hashimoto

SENBEI BROTHERSの最大の魅力である、「斬新かつ、丁寧に美味しいお煎餅」を追求できる秘密はこの二人にある。

伝統に捉われず自由な発想で、新しいお煎餅の見せ方や様々な味に挑戦する兄と、その挑戦を培ってきた技でしっかりと支える弟。そのコラボレーションが、新しくも親しみのある商品を生み出すことに成⻑したのだ。

さらに、SENBEI BROTHERS の強みはその試行錯誤のスピードにある。
健徳さんが新しいフレーバーを思いついた時、すぐに忠清さんに提案し試してみる。良ければさっそく商品化、イマイチだったらもう一度。小さなチームであること、気の知れた兄弟であることのメリットを存分に生かしている。

「お煎餅を焼くのはとても忍耐がいるから、きっとすぐ飽きちゃう」と言う兄と「人前に出たり、いろんな人と話をしたりするのはあまり得意ではないですね」と言う弟の、対照的な姿もなんだか微笑ましい。

「古い」は「ダサい」?そんなのただの勘違いだ!

Photo by Mika Hashimoto

現代ではウケなくなってきた、昔ながらのもの。それを捨ててしまうのではなく、新たな魅力を着せて世に送り出す。

次から次へと見たこともない新しいものが世に出回っている現代に、新しくも 懐かしいそれは、なんだか人をほっとさせるものがあるのかもしれない。

その証拠に、彼らのお煎餅の周りには人が絶えない。先日も、リサーチコンサル会社の主催した大規模なイベントでお煎餅を振舞ったという。

「これからもシンプルなお煎餅の味をもっとたくさんの人に知ってもらうこと。楽しく食べ続けてもらうことですね。」

ファッションビルやオフィスビルなど様々な施設で催事を行うことで、お煎餅がどの年齢層・性別でも受け入れられることを確信したという、健徳さんの言葉は力強かった。

一方、忠清さんは控えめに笑いながら 「今を考えることで精一杯。先のことは考えません。」と一言。一歩一歩を着実 に誠実に進んできた男の言葉だ。

あちこちで引っ張りだこでありながら、どこまでもストイックで謙虚なSENBEI BROTHERS。
先代から受け継いだ稲穂のマークの前掛けをまとい、誰も見たことのないお煎餅を語るデコボコな2人は、カッコいい。

Writer: Masumi Toyota

 
 

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