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北朝鮮×ポルノ!究極のオフザケに隠されたメッセージ

ART

Photo by Cindy Starfall

アメリカの老舗ポルノ雑誌『HUSTLER』の創設者であり会長であるラリーフリントが、アメリカで公開中止となった映画『The Interview(2014)』のパロディーポルノである『This Ain’t the Interview(2015)』を製作・発表した。

一歩、いや十歩ほど踏み込んだ驚きのストーリー

アメリカで人気のコメディー俳優であるセスローゲンが主演・監督を務めた『The Interview』が本国アメリカにおいて放映中止の決定が下されたことはご存知の方もいるだろう。
この決定は後に撤回はされたものの、ネット配信という妥協案に甘んじる結果となった。その理由は、この映画のあまりに過激なストーリーにある。

大筋はこうだ。マンネリ化してきた自分たちの仕事に嫌気がさし、ここらで一旗揚げたいと考えていたトーク番組のディレクターであるアーロンと、司会者のデイブ。
その二人にある日、北朝鮮の第一書記である金正恩にインタビューができるチャンスが舞い込んでくる。それを嗅ぎつけたCIAは二人に金正恩暗殺の極秘ミッションを命ずる。
北朝鮮に到着した二人は、金正恩との交流の中で北朝鮮の本当の姿を見ることになる。

まず、国名も第一書記の名前も架空の国・人物を暗喩するのではなく、本物を使っているところに驚かされる。そして「金正恩を暗殺しようとするアメリカ」という構図にはもはや笑いしかでない。
また、金正恩とデイブが友情を築いてゆくシーンでは、ケイティーペリーの 『Firework』がキーソングとなっているのだが、、、ちょっと待ってほしい。
Fireworkとはつまり、昨今空を飛び回っている「アレ」のことだろう。面白すぎる。

総じてThe Interviewは誰も手出しをできなかったタブーにチャレンジし、それを商業映画のマーケットにブチ込んできた意欲作なのだ。

「自由の国」アメリカで放映が中止されたワケ

女神さまの前で自由を誓ったアメリカにおいて、放送中止という判断が下されたのには理由があった。この映画が解禁された後に、北朝鮮の政府は国連に抗議文を送り、放映を禁止するように要求をしたためである。

しかし、それだけが理由とは思えない。真偽のほどは定かではないが、北朝鮮が映画の製作会社(ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)にサイバーハッキング襲撃をし、放映を禁止するよう脅しをかけたという話もある。
また、北朝鮮は第三国に対しても放映を禁ずるよう圧力をかけていたようだ。

北朝鮮×ポルノ!『This Ain’t the Interview』の誕生

by THE HUFFINGTON POST

さて、しかしここでただでは起きないのがクリエイターたる姿。
表現の自由を奪われることに憤慨したポルノ雑誌『HUSTLER』は、『The Interview』のパロディーポルノ『This Ain’t the Interview』の製作に乗り出した。

内容は同様に、トーク番組の司会者が北朝鮮を訪ねるストーリーだが、なんともお下劣極まりなし。第一書記の金正恩は超イケメンで、側近の女の子たちをあれよあれよと食い尽くす。

一見するとただの下衆なパロディーポルノではあるが、ここにはとても力強い制作側のメッセージが隠されていた。ラリーフリントは「もし金正恩や側近のやつらが(The Interviewに対して)怒っているなら、俺たちの作品を見てみればいいさ」とかなり挑発をしている。

また、 「俺はこれまでずっと表現の権利について戦ってきたんだ。どんな独裁者だって俺の表現の自由を奪うことはできない」と発言し、及び腰なソニーの対応に対する批判も行っている。
そういった意味で『This Ain’t the Interview』にはただの「おフザケポルノ」以上の意味があるだろう。

逆境こそクリエイティビティを生む!

『The Interview』はコメディーであるために過剰にステレオタイプ的な表現は見られるものの、 基本的には人間愛に溢れた作品であり、北朝鮮を批判するという浅はかな目的のために作られたとは到底思えない。

公開中止の決断に対して他の大物ハリウッドスターや、オバマ大統領までもが疑問を抱き、「ビビるあまりに正しい判断ができなくなっている。これじゃテロ行為を擁護しているのと変わらない。」などとコメントをしている。

これに応える様にリメイクされた『This Ain’t the Interview』は、間違いなくアートや表現の在り方に一石を投じている。
「表現の自由」とは何か、エンターテイメントとは何か、今一度考えさせられる。

タブーが蔓延る世の中で、その枠を超えられるのはアートである。リスクを背負っても自分の表現したいことを形にする、これこそがアートの可能性であり本当の姿であるのではないか。
逆境こそ最高のクリエイティビティを生む。どんなクリエイターにもビビらずに全てのパッションを表現して欲しい。

真面目にお下劣なポルノ『This Ain’t the Interview』は真っ当なアートだ。

Writer: Sonogi A.Yang

 
 

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