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アートの垣根を軽々飛び越える!稲葉友宏の躍動の美

ART

Photo by Fumi Imai

鉄を素材に、場の空気まで表現するアーティスト

稲葉友宏は、鉄のワイヤーを用いたスカルプチャーを生み出す、1984年生まれのアーティスト。

鹿や羊などの動物の体から繊細に伸びる線は、まさに3次元のドローイング。空間に溶け込む様は、モチーフの存在する場の空気まで表現し、また、自然に生まれ、そして還っていく命の循環の美しさを思わせる。


彼が所属するギャラリーのうちの一つ、月島の「ギャラリーアートコンポジション」で、ご本人に直接話を聞くことができた。現在、海外のアート関連サイトでも数多く取り上げられ、スペインを中心に海外でも知名度が高い稲葉さん。

自分の作品が海外で話題になっていることを知ったときのエピソードが面白い。

Tattooにされるほどの熱狂!
ある日から外国語のメールが殺到

文星芸術大学に在籍中から、一貫して鉄という素材に向き合いスカルプチャーをつくり続けていたという。

博士課程を終え、自身の創作を続ける一方、母校にて鉄の専門家として研究助手を勤めていたある時、英語のメールが届く。「英語だから読めないな」と思っているうちに、続々と英語のメールが届くようになり、パンク状態に!あとで目を通そうとプリントアウトした用紙は、瞬く間に電話帳の厚さほどになった。

「これは、、、何かが起きている」と思って試しにインターネットで調べてみると「Inabaは何者だ?中国人か?」「彼の作品は素晴らしいよ!どうやって彼とコンタクト取ればいいんだ」などの文面が。


他にも、自分の作品を平面化したモチーフをtattooに掘っている外国人や、知らぬ間に彼の作品を自分のアルバムのジャケットに使っている外国のミュージシャンなどを発見。電話帳サイズに分厚くなったプリントアウトを一つ一つ丁寧に読み始めざるをえなくなった。

「何をきっかけに海外で話題になったのか今でも良くわからないのですが、黙々と大学で研究していた一方で、海外で知らぬ間に話題になっていたことが現象として面白くて。でも、なぜ僕の作品が?と今でも不思議なんです」と謙虚だ。そんな稲葉さんの作品づくりへの思いが、また胸を打つ。

役割は、「アートの世界への扉をひらくこと」


「僕の作品をきっかけに『アートをもっと見てみたい』とか『アートって面白いかも』と思ってもらえたら嬉しいんです。僕の作品はあくまで、アートの奥深くて素敵な世界に皆を連れていく引き渡し役なんです。僕の作品を通過して、もっともっと素晴らしい作品に数多く出会って欲しい」と嬉々として語る。

昔は抽象的でコンセプチュアルな作品をつくっていたこともあるという。しかし「静止しているスカルプチャーの中に物語を感じるような”動”の要素を取り入れたい」と自分の作風を模索しているうちに、今のような動物をモチーフとした表現にたどり着く。

その作品を初めて周囲のあまりアートに興味のなかった人達に見せた時、「今までの作品は難しくてよくわからなかったけど、この作品、本当にいいね」という声を多く聞くことができた。そのことが、自分でも嬉しかったという。

取材者に対しても非常に分かりやすく丁寧にお話を聞かせてくれた稲葉さん。躍動感があり、絶妙な均衡の中で保たれた造形美の中に、どことなく温もりが感じられる訳が良くわかった気がする。


この夏再び稲葉さんの作品を見られるチャンス。

この春のアートフェア東京にも出展していた稲葉さん。

見逃した方に朗報!この7月に「FUMA CONTEMPORARY TOKYO | BUNKYO ART」で行われる『交錯する視点 ~ 船山コレクション 2016』展にて稲葉さんの作品を見ることができる。

今年はこの後、新作の創作に打ち込む予定という。彼の作品を見ることができる貴重な機会だ。ぜひ彼の作品を見てアートの良さを再確認してみて。

『交錯する視点 ~ 船山コレクション 2016』

2016年7月8日 (金) – 7月16日 (土), 11:00 – 18:30

FUMA CONTEMPORARY TOKYO | BUNKYO ART

104-0042

東京都中央区入船町1-3-9 長崎ビルディング9F

http://bunkyo-art.co.jp/press/funayama_collection.html

稲葉友宏 Webサイト: http://www.tomohiro-inaba.com/ http://bunkyo-art.co.jp/press/funayama_collection.html

Writer: Awako Hori

 
 
 
 

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