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保証なし?世界最悪のホステルで受けるおもてなし。

CULTURE

バックパッカーや格安旅行をする人に限って宿泊のこだわりの一つとして入れている「安さ」。それと同時に「質の低さ」が比例してくるが、もしそれが世界最悪級だとしたら…

想像を絶する環境

アムステルダムの「Hans Brinker Budget Hotel」は朝食付きで一泊約2500円(平均価格:3500円)とともに「世界最悪の環境」をも売りにしている。

ホステルの設備に注目すればすぐに頷くに違いない。

刑務所並みに殺風景で臭いが篭る部屋、お湯が全く出ないシャワー、タオルが窓のカーテン、エアコンの代わりに窓がある等…まさに劣悪。

もし家族連れがこの部屋に泊まると想像したら、それはアメリカのコメディー映画のワンシーンと化してしまうに違いない。

ホステル側は滞在中での食中毒、精神崩壊、末期症状、失われた四肢、放射線による健康被害、18世紀の時に流行っていた病気、疫病などといったものに一切責任を問わないと表明している。日本では考えられない注意書きだ。

十人十色のレビュー

客のレビュー欄を伺えば様々な評価が飛び交う。

オーストラリアから来た宿泊客は「世界最悪のホテルの評判のわりにしては悪くはなかった。でも結構汚いし、質素な作りだよ。トイレが一番ひどかった。」と記した。

またある人は「来る前に他の宿泊客のレビューを観て最初は緊張してけど、やっぱり期待通りに最悪だった。部屋が刑務所みたいだし、ベッドはガタついていてロッカーは完璧に閉まらないよ。」と記していた。

しかし、これらは実際のところ良い方の評価で、悪い評価は本当に悪い。チェコから来た客は宿泊中南京虫に刺されてしまい、受付で苦情をしても対応が悪く、アムステルダム滞在最終夜は違う場所で過ごすことになった。

また、アメリカから来た宿泊客は排水溝の臭いがする廊下や宿泊室に嫌気がさし、他の客が夜遅くになっても落ち着かず、「大学1年生用の寮並みに酷い」とレビューに記していた。

人気が途絶えない「標準以下」

そんな宿なのになぜ未だに宿泊の人気が途絶えないのか。

それは、ホステルの率直なアプローチである。Hans Brinkerのポスターにはダニの顕微鏡写真や宿泊客のビフォーアフターの写真が載せられ、「もっと悪くなるだろうけど、最大限尽くします」とか「免疫力改善のために」と書いた宣伝文句がその後につづく。

また、宿泊客の多くはバックパッカーや学生であり、そもそもホテルのようなクオリティーに期待していない人にとって立地の良いところで安く「クラッシュ」できるような宿さえあれば喜ぶのだ。

それだからか、世界各国から127ものタコ部屋を予約するために毎日殺到するのだ。

Hans Brinkerのマネージャーがアメリカのニュース取材でこう語った。「これは経験のためなのさ。宿泊客の多くはホステルに着いた時は大抵ちょっと驚いているだけだよ。彼は私たちのユーモアと皮肉さを好んでいて、期待をゼロにしてきていますから」。

Hans Brinkerはおもてなし文化の強い日本人からしてみれば言葉を失うような場所かもしれない。でも安さに相応するサービスの比例算を経験として一度触れてみるのも良いかもしれない。

Writer:Shota Ishihama

 

 

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