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オバマを勝たせたクリエイティブ集団、Droga5

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Photo by TJ Ryan from Flickr

現在、アメリカ大統領選挙戦が白熱しているが、大統領選の勝敗に広告の力が大きく関わっていることをご存知だろうか。

2008年の大統領選挙でオバマ氏を勝利に導いた広告エージェンシーがある。先進的なエージェンシーとして今、世界中から注目されているDroga5だ。

アメリカの大統領選挙は、各州で選挙がおこなわれるが、結果に反映される票数は州の人口規模に合わせて決められている。いかに多くの投票数を持つ州で勝つかが、勝敗を左右するのだ。

当時、勝敗の肝と言われていたのはフロリダ州。高齢の白人ユダヤ人が多い州で、保守的な住民が多かった。そんな頭の固い老人達の説得に一番効くのは、孫の一言。彼らは、はじめて選挙権を得る年代だ。

Droga5はそこでイスラエル人の女性コメディアンを起用した動画を作成。若者に対して、フロリダの祖父母にオバマへの投票を説得するよう呼びかけた。この動画はネットで公開され話題を呼び、公開2週間で700万を超えるビュー数を獲得、オバマはフロリダ州勝利に輝いた。

「The Great Schlep」

Droga5は2006年にデビッド・ドロガとその仲間わずか7人により創設された広告エージェンシー。

カンヌ国際広告賞の個人最多受賞記録を持つドロガからの誘いに集まったクリエイターたちはクリエイティブ界のエースばかり。彼らは皆、会社の事情にごまかされることのない理想の広告を実現する場を求めてドロガの元に集まった。

結果はすぐに現れた。2007年、ユニセフがクライアントとなった「Tap project」で、さっそく話題をさらう。途上国の人々へ安全な水を届けるために、レストランで水道水を1ドル出して頼もう、と呼び掛けたキャンペーンは世界中から喝采を浴び、見事に成功。

新進気鋭のクリエイティブエージェンシーとしてのポジションを確立した。その他、骨髄移植ドナー登録者を増やすためのキャンペーン「HELP I want to save a life」では、絆創膏に血液検査キットを同梱し、日常のふとした怪我をドナー登録に必要な血液検査の機会に変えた。

結果、ドナー登録者が3倍となった。アイデアで世界を救った事例の一つだ。そして2011年、Droga5は広告クリエイティブの頂点を競う、カンヌ国際広告祭で、3部門でグランプリを獲得するという快挙を成し遂げる。

「HELP I want to save a life」

Droga5のホームページでは過去に手掛けたプロジェクトが閲覧できる。

最近では、Androidの” be together. not the same,(一緒にいよう、個性を持って)”キャンペーンの『Monotune』という動画が話題となっている。88の鍵盤すべてが同じ音、というピアノを作り、ピアニストが88の鍵盤それぞれから異なる音が出る普通のピアノと交互に弾く、というもの。

一つ一つの音が違うからこそ、素晴らしい音楽が生まれるということを改めて思い知らされる。見た者は「多様性」の素晴らしさをこの動画から感覚的に理解できる。

「Monotune」

「95%の広告は毒だ」とDroga5代表ドロガは言う。

広告の作り手である彼らが「つまらない広告なんてたくさん」と言い切れるのは、そうでないものを作っているという自信があるからだ。Droga5が作ろうとしているのは、人々が積極的に見て、楽しみ、共有したくなる広告だ。

「面白いものをつくる」というシンプルなことに真剣であること。彼らのその姿勢が広告主も消費者もどちらも幸せにし、人の心や世界を動かしているのだ。アイデアをビジネスに変える野心と、クリエイティブを貫こうとする純粋さ。その両方を兼ね備えた彼らは、いまのところ敵なしだ。彼らの躍進はまだまだ続く。

※この記事は、HEAPSで2011年取材、2012年HEAPS iPad号に掲載されたものを編集したものです。

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