HEAPSmedia

コミュニティを強くする。「借り」の哲

TECH

Photo by John Goodridge from Flickr

SNSで乱立するコミュニティ。でもなかなか盛り上がらない・・・。

ミートアップしてもただの飲み会になる。どうしたらいいのよ!!

あなたのコミュニティ、飲み会化してない!?

Airbnb(民泊)を運営しているとオンライン上でいろんなコミュニティができていることに気づく。いくつか所属しているが、中には愚痴の言い合いに終始してるところもある。まるで会社の飲み会だ。うーん、コミュニティって一体なんなんだろうか?と、頭を悩ませる。

一体感によって生まれる相互扶助こそがコミュニティの意義

おそらく最も成功したオンラインコミュニティの一つがLinuxだろう。今では世界の97%のスーパーコンピューターはWindowsではなくLinuxで運用されている。なぜかといえば世界中の有志によって無料で日々開発されているからだ。

このコミュニティの運営者の著書「アート・オブ・コミュニティ」でコミュニティの定義と意義をこう置いていた。

「コミュニティとは相互扶助のネットワークであり、その成功の指標は”一体感”である。」

一体感とは何か、という点で言うとそれは単純な盛り上がりではなく「個人同士の結びつきの強さの総体」、株取引の世界で言えば出来高のこと、ということだ。

Photo by myUMBC

借りの未決済状態が人間関係を強くする

「じゃあ個人同士の結びつきってどうやって強くなるのよ!」これこそがコミュニティ運営する側として悩ましいところである。そこで出会ったのがナタリー・サルトゥー=ラジュの「借りの哲学」だ。彼女は人間関係とは「借り」があるからこそ成り立っていると主張する。

最近増えてきた「ポットラック」と呼ばれる持ち寄りパーティの起源はネイティブアメリカンの「ポトラッチ」である。そこではGiveすればするほどステータスがあがる。Giveされた方はした側が見返りを求めていようといまいと「借り」を感じる。「恩」とも言えるかもしれない。その恩を返すと「いやいや、そこまでしてもらっちゃ悪いよ」と最初に与えた側がさらに何かをGiveする。こうやって常に未決済な状態があるということが個人の関係を深めるのだ。

Photo by 贈与論 マルセル・モース

親子の関係のように子供が受けた借りは直接親に返したいところだが、孝行したいときに親はなし。その場合は借りは返すのではなく他の誰かに送ることになる。

ニーチェはキリスト教も同じ仕組みだといっている。原罪を一身に受けたキリスト(巨大な債権者)への借りを隣人に送ることで成り立っている。

こういった貸しと借りの未決済状態がコミュニティ全体で多くある、ということがコミュニティの一体感の強さと言えるだろう。

借りの原理を活用しているコミュニティ

宗教ほど強烈でなくても、こういった借りの原理が結果的に活きているコミュニティの例は意外と多い。部活や会社の先輩後輩の関係もそうだろう。Airbnbでは最近「補助ホスト」という、先輩ホストが後輩ホストの一定期間面倒を見る仕組みができている。

ポケモンGOで少し有名になったIngressという位置情報ゲームもコミュニティの結束は強い。ファーストサタデーと呼ばれる毎月第一土曜に世界中で開催されるイベントでは先輩エージェント(プレイヤー)が後輩エージェントにレベルの上げ方やどのエリアがおいしいかなどを教えたりする。教えられた方はそれをまた後輩に伝えていく。

Photo by Ingress

そうして一体感の強くなったコミュニティではお互いを助ける文化が自然と根付いてくる。Linuxのようにこういったコミュニティは時に営利団体のパフォーマンスを超える。

私たちが必要なのは新しいテクノロジーだけではなく、こういった古くて新しいネットリテラシーなのではないだろうか。

Writer: Yasuhiro Takagi

 
 
 
 

この記事が気にいったら、いいね!しよう
HEAPSmediaの最新情報をお届けします!

TAG


アプリで、HEAPSmediaを楽しむ。

どこでもいつでもサクサク快適に“遊び”が見つかる。

HEPASmedia

DOWNLOAD NOW!

アプリ画面

PAGE TOP