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会議室がアトリエに生まれ変わる「ART IN THE OFFICE 」とは?

ART

「ART IN THE OFFICE 2016」作品:菅 隆紀/「Painting on the Kimono」/2016年/
油彩、ラッカースプレー、着物、カンヴァス/230 x 500 cm

あなたはアーティストが作品を制作する様子を間近に見たことがあるだろうか?しかもそんな場所があなたのオフィスに現れたらどうだろう?

マネックス証券株式会社がCSR活動の一環として開催する「ART IN THE OFFICE」はその名の通りオフィスの中で作品の制作から展示までを見守ることができるユニークな試みだ。

会社の中で公開制作

制作風景 Photo by Koji shimizu

社内のプレスルーム壁面に展示する作品を制作する「ART IN THE OFFICE」は、マネックスグループ株式会社が2008年に開始し、2010年からマネックス証券株式会社がCSR活動の一環として特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ(以下:AIT)の企画協力のもと開催している公募プログラムだ。

その特徴は、社内に展示する「作品プラン」を公募すること。100点以上もの応募の中から選ばれた2016年度の受賞作品は、絵画的技法で人間の根源にある行為や欲求をテーマに制作を行う菅隆紀の「Painting on the Kimono」である。

Photo by Koji shimizu

菅は民俗学への関心が高く、旅の先々で得たものが制作へ反映されている。

ある部族間では他の部族への贈り物として壷を渡すのだが、受け取った者はその壷を割り、更に他の部族へ譲渡する際に繋ぎ合わせるという行為を繰り返す伝統がある。こうした土着的な行為を菅は私たちの日常の中に見いだしていく。

「Painting on the Kimono」では、嫁入り道具として継承されてきた祖母の着物を破壊と再生を繰り返す民族学的な儀礼の道具に見立て、そのサイクルに菅は絵画的表現で介入する。

社員の想像力を育むワークショップ

同プログラムでは受賞者がオフィスにて公開制作を行っている期間に社員に向けたワークショップも開催している。

この日は菅が自身の制作で用いている、絵の具を滴らせて描画する「ドリッピング」によるワークショップが行われた。

菅の作品の話に始まり、企画協力のAITスタッフによるミニレクチャーも織り交ぜることで、作品の背景にあるコンセプトや美術史との関連など「ドリッピング」という手法を手がかりに、アートに対する関心が高まる内容だ。

その後はいよいよ制作開始。画用紙や菅が撮影した街の風景などの写真の上に用意された絵の具を垂らしていく。

テーマは「最近イラッとしたこと」、また絵の具を垂らすのは2回までという制限付き。

普段の業務とは異なる作業に社員は戸惑うかと思いきや、臆することなくすぐに手を動かし始めた。

Photo by Koji shimizu
Photo by Koji shimizu
Photo by Koji shimizu

最後は出来上がった作品を一人ずつ解説。相手がどんなことを考えているのか、いつもとは異なるコミュニケーションを通して社員同士も会話が弾む様子が伺えた。

アーティストと社員がコミュニケーションを取ること

「ワークショップは初めての経験。テーマや回数など制約の中でも面白いものを作っているのを見て僕も得るものが大きかった」とワークショップを振り返る菅。

さらに社員とのコミュニケーションについては「社員の方も制作の様子を見に来てくれることがあります。その時はどうやって作品のことを伝えればいいのかという勝負でもあって、チャンスだとも思っています。」と語る。

Photo by Koji shimizu

完成した作品を飾るだけでなく制作過程を社員らとも共有することで、アーティストと企業双方に時間をかけて刺激を与えることが期待される。

毎年実力のあるアーティストを排出することは、それを見守っていた社員一人一人のプライドにも繋がるのだろう。

こうした企業の取り組みにはまだまだ大きな可能性がありそうだ。

Writer: Akira Aoki

 

 

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