HEAPSmedia

フランス流「古き良きものを大切にする」流儀

CULTURE

「古き良きものを大切にする」決まり文句のようによく耳にする言葉だが、一体どうすれば変化し続ける時代の波に乗って、残していくことができるのだろう。
パリに、その答えの手がかりになりそうな場所がある。L’Archipel(ラルシペル)という名の、公共施設。19世紀に修道院だった建物を慈善団体Aurore(オーラル)が管理を委託され、1871年から住宅に問題を抱える貧困層向けに緊急宿泊施設として改装されたのが始まり。2016年1月からは、一部のスペースを一般向けに開放し普段は図書館のような存在で、その他に無料コンサート、映画鑑賞会、ヨガ教室、裁縫教室、コワーキングスペースなどさまざまなイベントを開催している。緊急宿泊施設に立ち入ることはできないが、現在約200人程度が住んでいるとのこと。

訪れた人たちによる寄付は困っている人たちの助けになる。ただ住宅問題を抱える人が多くいる、という事実を広めることも団体の使命の一つでもあるため、地元住民を交えたこれらのイベントを行っている。

ありそうでなかった“物々交換”という発想

なかでも新しい取り組みが毎週土曜日に開かれる“物々交換”。不用品の寄付やフリーマーケット、チャリティオークションなどは多く存在するが、ここで行われる物々交換に金銭は一斉関与しない。単純に、自分には必要のないものと役に立ちそうなものを交換するというシンプルな構造。

本やインテリア、家電、洋服、靴、アクセサリーなどの品物が多い。受付で持参したものを渡し、ポイントを受け取ると、そのポイント分だけ自由に品物を持って帰っていい。例えばTシャツだと1ポイント、厚手のコートは4ポイントといった感じ。ちょっとした雑貨や本など、無料で受け取るには十分過ぎるほどのクオリティと品数で、買い物気分で楽しめる。

物に役割を与えるのは人間の役割

物自体に価値が存在するのではなく、人間が物の価値を決める。誰かにとって不要なものが、誰かにとっての大切なものへと変わっていく。その変化の連続こそが、継承するということであり「古き良きものを大切にする」ということではないだろうか。

元は修道院だった建物自体が時代を超えてさまざまな役割を与えられているように、私たちの身の回りにあるものも無駄にすることなく役割を与えることで、見ず知らずの誰かのためになることもあるだろう。

時代の空気を嗅ぎ分けながら独自の変化を続ける、フランスらしい価値観が体現された場所だ。

L’Archipel

Writer: ELIE INOUE

􏱤􏱡􏰯􏰚􏰟􏱥􏰐􏰯􏰕􏰏􏰇􏰠 
 
 
 

この記事が気にいったら、いいね!しよう
HEAPSmediaの最新情報をお届けします!

TAG


アプリで、HEAPSmediaを楽しむ。

どこでもいつでもサクサク快適に“遊び”が見つかる。

HEPASmedia

DOWNLOAD NOW!

アプリ画面

PAGE TOP